東京都の労動災害(平成29年発表分)

厚生労働省によると、平成28年の全国の労働災害による死亡者数は928人で、休業4日以上の死傷災害の発生件数は前年を上回ります(平成29年5月の発表)。全国と東京の労働災害について紹介します。

全国の労働災害

全国の労働災害による死者数は「928人」

『平成28年業種別局別労働災害発生状況』によると、日本全国の労動災害での死亡者数は928人で、前年(平成27年)の972人に比べて44人(4.5パーセント)減少しています。

死亡者数が多い業種は、建設業、製造業、陸上貨物運送事業などです。なお、この数は死亡災害報告をもとに死亡者数を集計して発表されたものです。

  • 建設業での死亡者数は294人(前年比で33人減/10.1パーセント減)でした。
  • 製造業での死亡者数は177人(前年比で17人増/10.6パーセント増)でした。
  • 陸上貨物運送事業での死亡者数は99人(前年比で26人減/20.8パーセント増)でした。

全国の労働災害による死傷者数は「11万7,910人」

平成28年の労働災害による死傷者数(死亡と休業4日以上)は11万7,910人でした。前年(平成27年)が11万6,311人に比べて1,599人の増加となっています。

死傷数が多い業種は、製造業、建設業、陸上貨物運送事業、小売業などです。なお、この数は、事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷数を集計して発表されたものです。

  • 製造業での死傷者数は2万6,454人(前年比で63人増/0.2パーセント増)でした。
  • 建設業での死傷者数は1万5,058人(前年比で526人減/3.4パーセント減)でした。
  • 陸上貨物運送事業の死傷者数は1万3,977人(前年比で92人増/0.7パーセント増)でした。
  • 小売業での死傷者数は1万3,444人(前年比で414人増/3.2パーセント増)でした。

東京都の労働災害による死亡者のデータ

労働省では労動局別に労働災害の発生状況についてのデータを発表しており、東京のデータは東京労働局が労働災害の死亡者数を集計して発表しています。『平成28年死亡災害発生状況(確定値)』によると、東京労働局での平成28年の労働災害の死亡者数は58人でした。
この内訳を見ていきましょう。

東京労働局の署別の死亡データ

『平成28年死亡災害発生状況』によると東京労働局での死亡者数の労働基準監督署別と業種別の内訳は次のとおりです。

東京労働局の署別・業種別死亡災害発生状況(平成28年)

  • 中央:10人(製造2人、建設業5人、商業1人、その他の三次産業2人)
  • 上野: 0人
  • 三田: 3人(建設業1人、その他三次産業2人)
  • 品川: 1人(建設業1人)
  • 大田: 4人(製造業1人、建設業1人、
  • 渋谷: 9人(建設業5人、清掃と畜業1人、その他の三次産業3人)
  • 新宿: 7人(建設業3人、運輸交通業1人、その他の三次産業3人)
  • 池袋: 3人(建設業2人、清掃と畜業1人)
  • 王子: 1人(建設業1人)
  • 足立: 2人(建設業1人)
  • 向島: 2人(製造業1人、清掃と畜業1人)
  • 亀戸: 1人(建設業1人)
  • 江戸川:1人(その他の三次産業1人)
  • 八王子:3人(建設業2人、運輸交通業1人)
  • 立川: 2人(建設業1人、その他1人)
  • 青梅: 6人(製造業1人、建設業1人、運輸交通業2人、商業1人、その他1人)
  • 三鷹: 1人(運輸交通業1人)
  • 町田: 2人(運輸交通業1人、商業1人)
  • 小笠原: 0人

合計: 58人

死亡災害の型別の特徴

事故の型別を見ると、「墜落、転落」が最も多く、計19人が亡くなっています。
業種別の内訳は、製造業で1人、建設業で15人(内、建築工事業が最多の8人)、運輸交通業では1人、商業で1人、その他三次産業で1人です。

次に「道路での交通事故」で計11人が亡くなっています。
業種別の内訳は、建設業で2人、運輸交通業で5人、商業で1人、保健衛生業で1人、清掃と畜業で1人、その他の三次産業で1人です。

次が「はさまれ、巻き込まれ」で、計6人が亡くなっています。
業種別の内訳は、製造業で1人、建設業で2人、清掃と畜業で1人、その他の三次産業で2人です。

東京労働局の死傷者のデータ

東京労働局では死亡災害のほかに、死傷者が発生した労働災害のデータを発表しています。
東京労働局が発表した『平成28年死傷災害発生状況(確定値)』によると、東京局での災害死傷数の合計は9,585人でした。
全国の死傷災害の合計値は11万7,910人ですから、計算すると東京では8.13パーセントの割合を占めます。
これらのデータを業種別、署別にそれぞれ見ていきます。
まず、東京労働局から発表された業種別の死傷データを見ます。
業種別に死傷者数が多い順番に並べると次のとおりになります。

東京労働局の業種別の死傷災害発生状況(平成28年)

  • 運輸交通業:1,726人
  • 商業:1,611人
  • 建設業:1,136人
  • 保健衛生業:1,007人
  • その他事業:1,003人
  • 接客娯楽:941人
  • 清掃・と畜:730人
  • 製造業:696人
  • 金融広告業:176人
  • 通信業:197人
  • 教育研究:115人
  • 貨物取扱:112人
  • 農林業: 68人
  • 映画・演劇業: 53人
  • 官公署:8人
  • 畜産・水産業:4人
  • 鉱業:2人

合計:9,585人

次に、エリア(署別)に死傷災害の発生状況を見ます。

東京労働局の署別の死傷災害発生状況(平成28年)

  • 中央:1,001人
  • 上野:171人
  • 三田:477人
  • 品川:398人
  • 大田:680人
  • 渋谷:641人
  • 新宿:743人
  • 池袋:937人
  • 王子:183人
  • 足立:605人
  • 向島:418人
  • 亀戸:547人
  • 江戸川:393人
  • 八王子:582人
  • 立川:755人
  • 青梅:332人
  • 三鷹:482人
  • 町田:238人
  • 小笠原:2人

合計:9,585人

中央労働基準監督署では、1,001人と千人を超えています。
前年比では池袋が13.3パーセント増、王子が13.0パーセント増が目立った増加となっています(署計では2.2パーセント増)。

署別と業種別を合わせて見ると、大田労働基準監督署の運輸交通業での286人、中央労働基準監督署のその他三次産業での263人、池袋労働基準監督署の運輸交通業での233人が、特に目立つデータとして浮かび上がっています。

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