渋谷署管轄(渋谷区+世田谷区)の労働災害(平成29年発表分)
渋谷労働基準監督署の管轄で平成28年に発生した労働災害について、東京労働局が平成29年に発表した統計データ(『平成28年死傷災害発生状況(確定値)』)をもとにご紹介します(※最新の速報値もありますが、ここでは確定値でご紹介します)。
東京労働局の管轄
東京労働局ではエリア別に19の労働基準監督署の管轄があり、渋谷区と世田谷区の2つの区を渋谷署が管轄しています。今回はこの2つの区を管轄する渋谷署での発生状況をもとに同エリアの労働災害を見ていきましょう。
渋谷署管轄(渋谷区+世田谷区)の労働災害
労働災害は、「死亡災害」と「死傷災害」に分類されます。
死亡災害は、死者を出した災害に限定されます。死傷災害は、死者を出した災害と負傷者を出した災害の両方を含んでいます。ここではそれぞれについて見ていきましょう。
渋谷署管轄の死亡災害数は「9件」
平成28年に渋谷労働基準監督署の管轄で発生した死亡災害の数は計「9件」でした。この数字は前年(平成27年)の2件に比べて7件増加しています。
ちなみに渋谷署管轄で死亡災害の件数が多い業種は、建設業の5件です(前年の平成27年はゼロ)。
渋谷署管轄の死亡災害数は「都内ワースト2位」
渋谷署管轄の死亡災害数9件は、都内でワースト2位となっています。
なお、平成28年に東京都で最も死亡災害が多かったエリアは中央労働基準監督署の管轄でした。中央署の管轄では10件の死亡災害が発生しています。
東京都内の死亡災害数のワースト順位は以下のようになっています。
平成28年の管轄別死亡災害ワースト順位 ※東京労働局『平成28年死亡災害発生状況(確定値)』をもとに独自作成 |
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署 | 死亡災害数 | (前年) |
中央署 | 10 | 15 |
渋谷署 | 9 | 2 |
新宿署 | 7 | 3 |
青梅署 | 6 | 3 |
大田署 | 4 | 4 |
三田署 | 3 | 5 |
池袋署 | 3 | 4 |
八王子署 | 3 | 2 |
足立署 | 2 | 3 |
向島署 | 2 | 6 |
立川署 | 2 | 3 |
町田署 | 2 | 1 |
品川署 | 1 | 0 |
王子署 | 1 | 1 |
亀戸署 | 1 | 4 |
江戸川署 | 1 | 4 |
三鷹署 | 1 | 1 |
上野署 | 0 | 6 |
小笠原署 | 0 | 0 |
合計 | 58 | 67 |
渋谷署管轄の死傷災害数は「641件」
平成28年に渋谷労働基準監督署の管轄で発生した死傷災害数は計「641件」でした。これは前年(平成27年)の623件に比べて18件(2.9パーセント)増加しています。
死傷災害の数が多い業種は、「商業」「建設業」「運輸交通業」などでした。内訳は、商業での死傷災害数は「119件」で、前年比7件減(6パーセント減)でした。建設業での死傷災害数は「89件」で、前年比14件減(15パーセント減)でした。運輸交通業での死傷災害数は「86件」で、前年比27件増(46パーセント増)でした。
渋谷署管轄の死傷災害発生数は「都内ワースト6位」
渋谷管轄の死傷災害発生状況を都内の署別で見ると大田署管轄(680件)に次いで「ワースト第6位」となっています。
ちなみに平成28年に最も労働災害が多かったのは中央署管轄で、1,001件の労働災害が発生し、前年比87件増(9.5パーセント増)でした。
その他、池袋署管轄では前年比110件増(13.3パーセント増)の937件。立川署管轄では755件(前年比では57件増/8.2パーセント増)。新宿署管轄では743件(前年比では43件増/6.1パーセント増)。大田署管轄では680件(前年比では11件減/1.6パーセント減)。そして渋谷エリアは641件(前年比では18件減/2.9パーセント減)となっています。
平成28年の管轄別死傷災害ワースト順位 ※東京労働局『平成28年死亡災害発生状況(確定値)』をもとに独自作成 |
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署 | 死傷災害数 | (前年) |
中央署 | 1,001 | 914 |
池袋署 | 937 | 827 |
立川署 | 755 | 698 |
新宿署 | 743 | 700 |
大田署 | 680 | 691 |
渋谷署 | 641 | 623 |
足立署 | 605 | 618 |
八王子署 | 582 | 609 |
亀戸署 | 547 | 523 |
三鷹署 | 482 | 471 |
三田署 | 477 | 492 |
向島署 | 418 | 460 |
品川署 | 398 | 390 |
江戸川署 | 393 | 447 |
青梅署 | 332 | 311 |
町田署 | 238 | 242 |
王子署 | 183 | 162 |
上野署 | 171 | 184 |
小笠原署 | 2 | 14 |
合計 | 9,585 | 9,376 |
業種別の労働災害
労働災害を業種別に見ると、次の表のようになります。
平成28年の業種別死傷災害 ※東京労働局『平成28年死亡災害発生状況(確定値)』をもとに独自作成 |
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業種 | 死亡災害数 | (前年) |
製造業 | 13 | 7 |
建設業 | 89 | 103 |
運輸交通業 | 86 | 59 |
貨物取扱業 | 3 | 1 |
商業 | 119 | 126 |
保健衛生業 | 62 | 61 |
接客娯楽業 | 75 | 75 |
清掃と畜業 | 54 | 51 |
その他の三次産業 | 131 | 129 |
その他 | 9 | 11 |
合計 | 641 | 623 |
業種別ワーストは「商業」
最も労働災害の多い業種は、商業でした。
平成28年の商業の死傷災害数は119件(前年比では7件減/6パーセント減)でした。この内、卸小売業が大半を占め、108件(前年比では3件増/3パーセント増)でした。
業種別ワースト2位は「建設業」
商業に次いで死傷災害数が多いのが、建設業の89件(前年比では14件減/15パーセント減)でした。内訳は次の通りです。
建築工事業での死傷災害数は67件(前年比では13件増/24パーセント増)でした。
また、土木工事業での死傷災害数は12件(前年比では0件増/0パーセント増)、その他の建設業での死傷災害数は10件(前年比では27件減/73パーセント減)でした。
業種別ワースト3位は「運輸交通業」
建設業に次いで死傷災害数が多いのが、運輸交通業での死傷災害数86件(前年比では27件増/46パーセント増)でした。この内、道路貨物運送業での死傷災害数は33件(前年比では29件増/14パーセント増)でした。