パワハラ問題が顕著に

 

先月の29日に厚生労働省から発表された
「民事上の個別労働紛争相談件数」によれば、
統計を開始した2002年度以降、過去最高の25万件以上に達したとのこと。
 
案件別で見ると、
解雇が約4%減の6万件弱、
労働条件の引き下げが1%減の約4万件弱で減少傾向にある一方、
いじめや嫌がらせ関係が、なんと、約17%増の4万5千件以上となっています。
 
加えて、各都道府県労働局の統計でも、
いじめや嫌がらせの相談件数が増加していて、
どうやら、退職勧奨配置転換の相談でも、
結局は“いじめや嫌がらせ”が原因となっているケースも多いようです。
 
実際、弊社でもパワハラ関係の問い合わせは増えてきています。
 
法制化されているセクハラよりも遥かに多いのが実情で、
会社の方にとっては、「業務上の教育指導とパワハラの線引き」が悩みどころのようです。
 
具体的な回答となるとケースバイケースで判断せざるを得ませんが、
少なくとも、日常的な指導に関してのメモは取っておいて、
適宜、「業務指導書」等の書面で指導内容を明らかにするといった配慮が必要でしょう。
 
書面に残すことで、恣意的な側面が弱まる一方、
証拠能力や客観性は強くなるので、
「やった、やってない」「そんなつもりじゃ…」の水掛け論は、
ある程度、避けることができるはずです。
 
今年の3月に「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」によって、
パワハラとなる行為が類型化されましたが、まだまだ不透明なところも多く、
アドバイスをする側としても今後の動向が気になるところです。
 
山本