とにかく暑い……。今年も本格的な夏が来ましたね。みなさま夏バテなどしないように体調管理に気を配って、暑い夏をのりきりましょう!
さて、体調管理に関連してくるのが健康診断(やや強引かもしれませんが…)の実施についてです。
労働安全衛生法は、66条において健康診断の実施を会社に義務づけています。具体的には66条から66条の9にわたって健康診断の実施から記録の保存、従業員に対する結果の通知等について定めています。これらの中には罰則が定められているものもあり、例えば、会社が定期健康診断の実施義務を怠った場合には、労働安全衛生法120条を根拠として50万円以下の罰金に処せられます。
このことに関連することとして、会社には「安全配慮義務」というものが課されています。会社は労働契約上、労務の対価として賃金を支払う義務がありますが、この労務の提供は、会社の安全に対する配慮が十分であることが前提とされています。もともと、安全配慮義務は判例で認められていたものでしたが、労働契約法で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することできるよう、必要な配慮をするものとする」(5条)と明文化されました。
健康診断がこの安全配慮義務の中に含まれていることは言うまでもありません。定期健診の受診を拒否する従業員を放置し、結果として重病になってしまった場合、労働安全衛生法だけでなく、安全配慮義務の観点からも責任が問われることもありうるのです。労働安全衛生法とは異なり、労働契約法そのものに罰則はありませんが、労働契約法を根拠に民事的なトラブルに発展する危険性は十分に考えられます。
これらの点を考慮すると、いかに健康診断の実施が重要であるかが理解できるかと思います。「元気があればなんでもできる!」(どこかで聞いたようなフレーズですが…)と言うように定期健診をしっかりと受診し、体調を管理し、元気にこの暑い夏を乗り越えましょう。
渡辺